中国文学【漢魏六朝】
釜谷武志著
歌と語りの文学史―両漢文学考ー 目 次
序論 歌と語りの文学史
第一部 楽 府
第一章 漢武帝楽府創設の目的
第二章 楽府設立年代考
第三章 「安世房中歌」試論
第四章 両漢楽府詩考―相和歌を中心に―
第五章 漢魏晋の文学に見られる華と夷
第六章 雅舞と雑舞―両漢魏晋の舞歌―
第二部 辞 賦
第一章 賦に難解な字が多いのはなぜか
―前漢における賦の読まれかた―
第二章 漢代における古典の成立と文学の変容
第三章 詩と賦のあいだ
第四章 自己を語る賦―班固「幽通賦」を中心に―
第五章 「帰去来兮辞」の「辞」について
第三部 文 学 観
第一章 中国における文学史観の誕生
第二章 独創と模倣―漢魏六朝の文学論を中心に―
第三章 劉勰と東漢文学
第四章 漢代文学と讖緯思想
第五章 先秦から六朝にかけての罪と罰
第六章 中古文学における〝偶然〟の初歩的探究
あとがき/初出一覧/索 引(人名索引・書名・作品名索引)
A5判函入 461ページ 2024年3月刊 ISBN978-4-87636-485-5
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井上一之著
陶淵明集の詩想ー説理と表現様式 目 次
序論 抒情と説理―陶詩における説理の方法
第一部 陶詩の「理」
第一章 「停雲」詩考―友情論
第二章 「時運」詩考―時間論
第三章 「栄木」詩考―禍福(運命)論
第四章 「詠二疏」詩考―「知足」の是非
第五章 「詠三良」詩考―忠と済民
第六章 「詠荊軻」詩考―報恩軽生の適否
第七章 「飲酒」連作主旨初探
第二部 陶淵明の詩と辞
第八章 陶淵明四言詩考―四言詩の性格に即して
第九章 「帰去来兮辞」の ‟已矣乎” をめぐって
―六朝辞賦にみえる〈乱辞〉の展開
第十章 文字様式としての「辞」の実態
―漢代から『文選』まで
第十一章 「三言」という名の様式
第十二章 「文選序」に見える「八字の文」
―「三言」との差異を中心に
第十三章 「帰去来」の様式帰属
第三部 陶詩の詩語と修辞
第十四章 「悠然見南山」考
第十五章 『陶淵明集』所収「問来使」詩に関する一考察
第十六章 陶詩の修辞
初出一覧/後記/索引(陶淵明作品・関連書籍索引)
A5判上製函入 432ページ 2023年5月刊 ISBN978-4-87636-479-4
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住谷孝之著
六朝懐古文学の研究 目 次
序 先行研究と本論文の課題と構成
第Ⅰ部 六朝懐古文学の形成過程
第一章 漢代から六朝までの「懐古」主題の形成過程
第二章 陸雲「登台賦」考
―懐古の萌芽としての側面からー
第三章 顔延之「北使洛」における「懐古」の抒情の形成
(付論)顔延之「北使洛」の制作状況について
第四章 鮑照「蕪城賦」考―懐古文学の文脈からー
第五章 南朝後期における懐古詩について―六朝懐古詩の成立―
第六章 北朝系文学者による懐古詩―盧思道と李百薬を中心に―
第Ⅱ部 懐古詩の展開の中に置かれた詩跡「鄴城」
第七章 六朝詩における「銅雀台」
―六朝期に成立した「詩跡」の特徴について―
第八章 鄴城と詩跡「鄴城」の合間
―旧北斉文学者たちによる詩をめぐって―
総論 中国文学史における六朝懐古文学研究の意義
参考文献一覧/関連地図/あとがき/索引
A5判上製 318ページ 2022年3月刊 ISBN978-4-87636-467-1
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大上正美著
嵆康にあっては九篇の「論」がとりわけ重要なもので、……私はそれを文学作品としてどのようにして読めばいいか、どのような構成のもと、どのような修辞技巧のもと、どのような方法で書かれているか、というそのことの中から見えてくる、嵆康の文学としての思想性を求めて行こうとしています。(本書p.194より)
嵆康の方法―文学としての「論」 〈目 次〉
第一章 嵆康「太師箴」の方法
第二章 明(明知)と胆(胆力)の関係をめぐる論
―嵆康「明胆論」和訳―
第三章 「明胆論」に見る嵆康の思惟の原型
第四章 嵆康の「家誡」と「釈私論」と―「中人」の志をめぐってー
第五章 嵆康「釈私論」試訳稿
第六章 嵆康「釈私論」における「理」と「志」
第七章 嵆康「釈私論」の文学的考察
第八章 文学の価値を問う、極私的嵆康研究
第九章 司馬昭と竹林の七賢
第十章 阮籍・嵆康と隠者孫登
―隠者を固有の他者とする表現への契機―
あとがき/初出一覧(*参考:嵆康に関する文章一覧)/人名索引
A5判上製 242ページ 2022年2月刊 ISBN978-4-87636-466-4
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石 碩(せき ますみ)著
六朝を代表する詩人であり、唐代の詩人に大きな影響を与えた謝朓の詩は
如何にして誕生し、後世に受け継がれ、今日の地位を獲得したのかを系統的に論述。
従来の文学史的観点を覆す新たな知見を提示する謝朓詩初の著書。
謝朓詩の研究ーその受容と展開 目次抄
序 章 本書の課題と構成
先行研究と本書の課題
初唐以前の謝朓の評価と受容について
本書の構成
第一章 詩人「謝宣城」の誕生ー謝朓詩における荊州と宣城
「思帰」の場所ー荊州における望郷・望京の詩
「旅人」の心情ー宣城における異郷の詩
「集団の詩人」から「謝宣城」へ
第二章 謝朓詩における「窓」の風景ー遠景描写の一手法
謝朓以前の詩中の「窓」
謝朓詩における「窓」表現の概況
謝朓詩の「窓」表現と遠景描写の手法
第三章 「李白と謝朓」再考ー「澄江浄如練」句の受容と展開
謝朓「澄江浄如練」句の成立とその特徴
李白詩における「澄江浄如練」とその特徴
「李白と謝朓」ー「澄江浄如練」句の受容と展開
秀句の詩人、謝朓
第四章 謝像朓の確立をめぐってー李白から中晩唐へ
李白から中唐へー「謝朓を憶う」詩の広まり
中唐詩における謝朓ー呼称の多様化
「李白と謝朓」の典故化ー晩唐における謝朓の像
第五章 「小謝」の変遷ー李白「中間小謝又清発」をめぐって
「池塘生春草」句と「小謝」謝恵連
唐詩における「小謝」
李白「中間小謝又清発」をめぐって
第六章 李白「志在青山」考ー謝朓別業の存在をめぐって
李白墓遷移の経緯ならびに謝朓別業に関する記述
謝朓詩における「青山」と謝朓別業の存在
李白詩における「青山」
李白「志在青山」の解釈について
第七章 敬亭山の印象ー謝朓から李白へ
謝朓の敬亭山の詩
唐詩における敬亭山
李白と敬亭山
終 章 謝朓詩の受容と展開
参考文献/初出一覧/索 引
A5判 263ページ 2019年12月刊 ISBN978-4-87636-450-3
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種村和史著
従来の枠組みにとらわれずに、詩経学の学的理念と方法の形成と継承の様相を、北宋の詩経学に視点をあてることにより追求する。
はじめに-本研究の概要
第一部 歴代詩経学の鳥瞰
第一章 イナゴはどうして嫉妬しないのか?
第二章 妃は夫のために賢者を求めるのか
第二部 北宋詩経学の創始と展開
第三章 欧陽脩『詩本義』の揺籃としての『毛詩正義』
第四章 『詩本義』に見られる欧陽脩の比喩説
第五章 詩の構造的理解と「詩人の視点」
第六章 蘇轍『詩集伝』と欧陽脩『詩本義』との関係
第七章 蘇轍『詩集伝』と王安石『詩経新義』との関係
第八章 小序に対する蘇轍の認識
第九章 漢唐の詩経学に対する蘇轍の認識
第十章 深読みの手法
第三部 解釈のレトリック
第十一章 それは本当にあったことか?
第十二章 一般論として
第十三章 いかにして詩を作り事と捉えるか?
第十四章 詩を道徳の鑑とする者
第十五章 詩人のまなざし、詩人へのまなざし
第十六章 作者の意図から国史と孔子の解説へ
第四部 儒教倫理と解釈
第十七章 国を捨て新天地をめざすのは不義か?
第十八章 詩によって過去の君主を刺ることは許されるのか?
第十九章 なぜ過去の君主を刺った詩と解釈してはならないのか?
第五部 宋代詩経学の清朝詩経学に対する影響
第二十章 訓詁を綴るもの
まとめ
論文初出一覧/参考文献/後書き
引用書名著者名索引/引用注釈一覧表
A5判 1036頁 2017年10月発行 ISBN978-4-87636-426-8
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門脇廣文著
第一部 洞窟の中の田園
第一章 洞窟の中の世界
異界にいる人物╱食べ物╱勧帰と懐郷╱贈り物╱時間的経過╱空間的位置╱内部空間╱異界にいる人物の服装
第二章 「世俗」と「超俗」のあいだに
他の洞窟説話との比較検討╱陶淵明の田園詩との比較検討ー桃源郷と田園の相似性╱「世俗」と「超俗」のあいだに
第二部 物語としての「桃花源記」
第一章 洞窟に行く人、住む人
二つの「桃花源記」╱洞窟に行く人、住む人
第二章 物語としての「桃花源記」
『捜神後記』の「桃花源記」の物語の展開と登場人物の作用╱二組の対立関係と登場人物の関係
第三部 従来の「桃花源記」研究の概要とその問題点
第一章 従来の「桃花源記」研究の概要
記録か創作か╱完全な創作か、何かをもとにした創作か
第二章 従来の「桃花源記」研究の問題点
収集した民話、あるいは伝説の一つに過ぎないとする説の問題点╱歴史的事実をそのまま描いたとする説の問題点╱従来のとらえ方の概要╱完全な創作だとする考え方の問題点╱もとにしたものは現実の出来事だとする考え方の問題点╱もとにしたものは武陵についての民間説話だとする考え方の問題点╱もとにしたものは洞窟探訪説話だとする考え方の問題点
第四部 「外人」の解釈とその問題点
第一章 「外人」の解釈史の概要
「外人」解釈の概要とその整理╱「外人」解釈の諸説の内容
第二章 「外人」解釈の問題点
一語、一文における検討╱前後の文章との関係で構成される文脈における検討╱一段落の文脈および文章全体の文脈における検討╱「桃花源記」と「桃花源詩」との関係で構成される文脈における検討╱唐代の「桃源」詩との関係で構成される文脈における検討╱洞窟探訪説話との関係で構成される文脈における検討
〈附論〉川合康三氏の二篇の著述における「外人」に対する理解について
川合康三氏の「外人」に対する理解╱川合康三氏の「外人」理解の問題点
附録 第一部
第一章 陶淵明以前の詩文に見える「影」
「影」の三つのタイプ╱諸子の書の中の「影」╱文学作品の中の「影」
第二章 陶淵明の詩文に見える「影」
陶淵明の詩文に見える「影」について╱「影」が表現しているもの
附録 第二部
第一章 「読山海経」第一首「頗廻故人車」の従来の解釈とその問題点
二様の解釈╱従来の注釈の検討╱解釈に対する疑問点╱従来の用例の検討
第二章 「読山海経」第一首が表現している境地
陶淵明の詩文に見える「廻〜」の用例の検討╱文脈における検討
あとがき╱初出一覧╱「桃花源記」関係参考文献リスト╱注
A5判 468頁 2017年2月発行 ISBN978-4-87636-418-3
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富永一登著
序章 言語表現へのこだわり
第一部 文学言語の創作と継承
第一章 李善注の引書の活用
注引『論語』から見た文学言語の創作╱注引「子虚賦」「上林賦」から見た文学言語の継承╱注引「西京賦」から見た文学言語の継承╱注引曹植詩文から見た文学言語の創作と継承╱注引陸機・潘岳の詩文から見た文学言語の創作と継承
第二章 文学言語の継承と語意の変化
「孤」を用いた文学言語の展開ー陶淵明に至るまで╱「散志」考ー昭明太子の言葉╱「情」と「自然」、「山水」と「山河」について╱書評「林英徳著『《文選》與唐人詩歌創作』」(知識産権出版社)
第二部 『文選』版本考
第三章 板本『文選』李善注の形成過程
旧鈔無注本『文選』に見られる「臣君」について╱『文選』李善注の増補改変ー従省義例「巳見〜」について╱『文選』李善注の伝承ー唐鈔本から尤本へ╱書評「岡村繁著『文選の研究』」(岩波書店)
第四章 『文選』李善注の原形
唐鈔本李善単注本『文選』残巻考╱唐鈔本李善単注本『文選』残巻校勘記
結章 『文選』李善注活用の展望
初出一覧╱あとがき╱語彙索引
A5判箱入 596頁 2017年2月発行 ISBN978-4-87636-417-6
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富永一登先生退休記念論集
魏晋期の「楽府」―『文心雕龍』楽府篇の記述をめぐって 佐藤大志
劉孝綽の詩語―その出典に注目して 佐伯雅宣
六朝小説に見える「北斗君」 許 飛
李善伝記新考 陳 翀
杜甫の犠牲精神の奥に見えるもの―「茅屋為秋風所破歌」「鳳凰台」をめぐって 中木愛
「雪」の美を詠む韋応物詩―「艶雪」の語を中心に 山田和大
春への憎悪―白居易の青春 橘英範
〈炭売りの翁〉に関する二つの記録―白居易「新楽府・売炭翁」と実録の関係について 畑村学
六朝・唐代龍類小説と仏教―「倶名国」と「柳毅伝」をめぐって 屋敷信晴
「富」「都市」をめぐる話と『続玄怪録』 高西成介
中国古小説における「冥簿」について 安田真穂
延寿説話小考―禄命簿ならびに管輅故事を手がかりとして 角谷聡
『金瓶梅』の服飾描写 川島優子
袁枚「祭妹文」ができるまで―「女弟子素文伝」と「哭三妹五十韻」 市瀬信子
『紅楼夢』における水意象と花意象 森中美樹
『紅楼夢』後四十回における賈宝玉の病と通霊宝玉―神瑛侍者来歴の改編を端緒として 船越達志
郁曼陀「東京雑事詩」と竹枝詞 小川恒男
「香をぬすむ」文学 章 剣
日本中世禅林における杜詩受容―忠孝への関心(中期の場合)・解釈の様相 太田亨
琉球儒学の特質―教諭・実学・風水 中村春作
広瀬旭荘「除夜祭詩」にみられる小説的要素―分身譚の盛り込みを中心に 郭 穎
石川鴻斎『夜窓鬼談』における袁枚『子不語』の継承と創意―「縊鬼」を中心として 盧秀満
富永一登先生業績目録
A5判箱入 524頁 2015年10月発行 ISBN978-4-87636-403-9
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富永 一登 著
中国古典小説の芽生えと生長についての考察。六朝志怪と唐代伝奇を題材に、記録から創作への視点から古小説の展開を検討する。
〈目次〉
序章 想像世界へのいざない
第一章 古小説のテキスト
『太平広記』の諸本 付表「『太平広記』の来歴と諸本」/魯迅輯『古小説鉤沈』
第二章 「小説」観
六朝「小説」考―殷芸『小説』を中心として/唐代「小説」考―顧況「戴氏『広異記』序」を中心として
第三章 六朝志怪論考
六朝志怪書解題/六朝志怪の「鬼」/六朝志怪の文体―『異苑』を中心として
第四章 六朝志怪から唐代伝奇へ―異類婚を中心として
「人虎伝」の系譜―六朝化虎譚から唐伝奇小説へ/「袁氏伝」―猿の変身/狐説話の展開/「白蛇伝」遡源考/「柳毅伝」―龍説話の展開
第五章 唐代伝奇論考
沈亜之の史伝的作品/唐代小説の「鬼」―『太平広記』鬼類を中心として/商胡買宝譚/「鶯鶯伝」―愛情小説の限界/「魚服記」の創作意図―唐代伝奇の娯楽性/唐代小説の創作意図―「杜子春」を中心として
結章 「桃花源」と「和神国」
初出一覧/付録 古小説関係書/あとがき/索引
A5判 570頁 2013年2月28日発行 ISBN:9784876363568
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佐藤武敏著
恋愛歌、生活苦の詩、車馬の詩、農事詩といったそれぞれのテーマ詩とそうした詩が生まれた地域社会のかかわり合いとを追求。それぞれの詩の問題を社会史の方法から考察する。
「詩 経」は中国の文学では最も重要な古典であることはいうまでもないが、それとともに中国の歴史学においても古代の歴史や社会をつたえる貴重な資料である。こ のことはこれまで多くの研究者によって注目され、歴史研究や歴史叙述に利用されてきたところである。・・・本書は詩歌の訓詁については独自の考証は少な く、先学の説によるところが多いが、詩歌の主題、つまり各詩歌はどういうことを歌ったものであるか、また各詩歌はどのような地域社会を背景に生まれたもの であるか、ということに重点をおいて考察を試みたものである。(本書「あとがき」より)
まえがき
第一章 恋愛詩と地域社会
はじめに/鄭風の恋愛詩/衛風の恋愛詩/鄭風・衛風恋愛詩の特色/恋愛詩と鄭・衛の地域社会/陳風の恋愛詩とその特色/恋愛詩と陳の地域社会/附 中国古代の俗楽―鄭声を中心に
第二章 魏風に見える生活苦の詩と地域社会
魏風に見える生活苦の詩/魏風の地域社会
第三章 秦風に見える車馬の詩と地域社会
秦風に見える車馬の詩/秦風の地域社会
第四章 豳風(ひんぷう)に見える農事詩と市域社会
はじめに/頌・雅の農事詩/頌・雅の農事詩の地域社会/豳風七月の詩/豳風の地域社会
史料と参考文献
あとがき
A5判 298頁 2014年6月発行 ISBN978-4-87636-378-0
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家井 真著
宗教歌であり、宗教儀礼・・祭礼に使用され、またそれらを歌った『詩経』の本来の意味を、雅・頌に就いて、「興詞」に就いて、「詩経」諸篇の諸問題、結論の四部に分けて、金文資料はじめ多方面から解析。
第一章 雅・頌に就いて
雅・頌の発生と成立/清廟之什の構成/臣工之什の構成/甫田之什の構成/結語
第二章 「興詞」に就いて
魚の興詞/花・実・草・木の興詞/渡河の興詞/結語
第三章 『詩経』諸篇の諸問題に就いて
「君子」に就いて/祖霊祭祀に就いて/「羔裘」三篇に就いて/「夙夜」に就いて/「鐘」に就いて/周南諸篇に就いて/「王事靡監」について/結語
結論
A5判函入 514頁 2004年3月発行 ISBN4-87636-229-7
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福本郁子著
『詩経』の経学的解釈を廃し、「詩」としての原義に復し、その表現方法である興詞に着目。そこに謡われるもの・行為の呪術的意味と起原・生成について・甲骨学・考証学・民俗学・宗教学を駆使して考究する。
〈目次〉
第一章 興詞に謡われた呪物
興詞に謡われた水/興詞に謡われた隰の依代/興詞に謡われた虹/興詞に謡われた黄鳥
第二章 興詞に謡われた呪術的行為
境界神祭祀詩に於ける興詞に謡われた採草行為/祖霊祭祀詩に於ける興詞に謡われた採草行為/歌垣詩に於ける興詞に謡われた採草行為/投果婚の習俗に就いて/興詞に謡われた草木伐採行為
第三章 『詩経』に於ける諸問題に就いて
廟・寝・宮・室・屋・堂・宗・家・公字に就いて/于嗟・歎・嘯字に就いて/境界神祭祀詩に就いて
A5判 660頁 2012年6月発行 ISBN978-4-87636-339-1
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石川忠久著
陶淵明研究第一人者による初の 書下ろし研究書。
新論文を加え〈増補版〉刊行!
〈目次〉
序
内篇 陶淵明の人と文学
第一章 陶氏という南人貴族
“家”の意識/曾祖陶侃/東晋に於ける南人/陶侃の後代
第二章 陶淵明の帰由
宦遊/帰田の真情/隠逸の風潮/隠士皇甫謐/史家としての陶淵明
第三章 隠士陶淵明
顔延子との交遊/「著作佐郎不就」について/官僚との交遊/史家としての陶淵明
第四章 作品中の諸問題
「和劉柴山」と「酬劉柴桑」/「見南山」と「望南山」/「遊斜川」考/「雑詩其十二」について/六朝に於ける“孌童詩”
外篇 東晋文学の展開の様相
第一章 東晋王朝の創始―司馬睿睿と王導
司馬睿/王導/玄風に対する態度
第二章 謝氏の興隆
謝氏の源流/謝鯤/謝商/康献皇后/謝尚より謝奕兄弟へ/謝安
第三章 王羲之と蘭亭の遊
蘭亭の実情/金谷の遊/西晋代詩歌の状況/東晋前半の詩歌の状況/蘭亭の集いの意味/蘭亭詩
第四章 許詢について
許詢の位置/家系/生卒/閲歴/交遊/処世
第五章 孫綽と「遊天台山賦」について
閲歴/賦制作の経緯/仙界へのルート/賦の内容と特色/結語
第六章 謝混と「遊西池」詩
謝混の評価/「遊西池」詩について/謝混の生涯とその周辺
附章 「尋隠者不遇」詩の生成について
隠逸詩の発生/逆説的命題の創出/道観・仏寺を尋ねる詩/初唐から盛唐へ
附篇
第一章 両晋に於ける雅俗の観念
雅俗の起こり/西晋までの様相―精神的な雅俗の例/東晋の様相―雅俗の別の発達/文藝における雅俗
第二章 六朝詩に表われた女性美
六朝以前の状況/六朝期の状況―前期/六朝期の状況―後期
第三章 文学に表われた海―中国と日本
おどろおどろしい海/『山海経』と『楚辞』の海/漢魏六朝の海の文学/日本の海の文学/日本漢詩文に於ける「海」/新しい海洋文学の誕生
第四章 王維輞川集校注
第五章 漢詩在日本
補篇
第一章 「東籬」考―“隔籬”の詩想
「東」の意味するもの/「籬」の意味するもの/謝霊運の“隔籬”/王維の「鹿柴」/杜牧の「石径」
第二章 謝霊運に見る陶淵明の影
「遠風」と「懐新」/其の他の類似の表現/鍾嶸『詩品』の評価の意味
第三章 名士としての陶淵明
附表 瑯邪氏世系図/陳郡謝氏世系図
後記/増補版後記/初出一覧/索引
A5判函入 593頁 2014年5月増補版発行 ISBN978-4-87636-371-1
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興膳 宏 著
魏晋南北朝という権力間の激しい争闘の渦中にあって非情な運命に身をさらしながら、かずかずの名詩を残した詩人たちの生き方を見据えつつ、その作品を犀利に論じた論考を集大成する。
一 プロローグ 六朝詩人の前進
宮廷文人の登場―枚乗について
二 魏末の詩人 嵆康
嵆康―孤独の求道者/嵆康詩小論/嵆康の飛翔/阮籍と嵆康/阮籍の生活と詩
三 晋の詩人たち
左思と詠史詩/潘岳年譜稿/詩人としての郭璞/石崇と王羲之―蘭亭序外説/蘭亭と蘭亭序/東方朔三つの顔―「東方朔画賛」によせて/陶淵明の人と文学/『世説新語』の群像
四 六朝後期の南北詩人群
謝朓詩の抒情/豔詩の形成と沈約/高允―北朝文学の先駆者/庾信の題画の詩について
五 エピローグ―六朝から唐へ
枯木にさく詩―詩的イメージの一系譜
A5判函入 636頁 2001年10月発行 ISBN4-87636-202-5
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興膳 宏 著
カテゴリーを異にするかにみえる詩論と書論は、一つの根源から出ているという発想から、ともに九段階評価法をとる鐘嶸『詩品』と庾肩吾『書論』を通底させようという試み。
〈目次〉
詩品 |
鐘嶸 |
上品 |
古詩/李陵/曹植/劉楨/王粲/阮籍/陸機/潘岳/張協/左思/謝霊運等 |
中品 |
秦嘉・徐淑/魏文帝(曹丕)/嵆康/張華/郭璞/袁宏/陶潜/任昉/沈約等 |
下品 |
班固/魏武帝(曹操)/戴逵/殷仲文/傳亮/謝荘/区恵恭/毛伯成/江祐等 |
書品 | 庾肩吾 |
書品論 | |
上品 |
張芝・王羲之/杜度・師宜官・王献之/索靖・皇象・鐘会・阮研等 |
中品 |
張超・郭伯道・謝安/衛恒・杜預・張永/趙襲・陸機・王導・陶隠居(弘景)等 |
下品 |
梁宣・魏徽・謝霊運/楊経・諸葛融・王籍/衛宣・陳基・法高道人等 |
A5判 395頁 2011年8月発行 ISBN978-4-87636-326-1
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大上正美著
苛酷な政治情況のなかで生と表現の危機を引き受けながら表現された六朝文学への犀利な考究。
〈目次〉
Ⅰ 曹植の仮構と対自性 仮構の力―曹植の文学への問い/曹植の対自性―〈黄初四年の上表文〉を読む
Ⅱ 陶淵明小論―表現のなかにしか思想はない 思想空間としての詩―陶淵明詩の思想性をめぐって/言志の文学― 陶淵明詩の自己把握について/陶淵明への文学的視座 人生派詩人はいかに自己を語ろうとするか―鈴木修次「嵆康・阮籍から陶淵明へ」を読む 来たるべき 「陶淵明論」、その深淵と困難―茂木信之「陶淵明序論」を読む
Ⅲ 庾信論覚え書き 「哀江南賦并序」の読みへの一視角/「擬詠懐詩」に見る方法としての自虐
Ⅳ 六朝文学から〈文学〉を考える 美は現実をきりひらくか―六朝文学研究が背負うもの/掘りかへし耕しなほす時―六朝文学研究の展開の契機として読む『六朝の文学覚書』/ふたりの武帝と表現者たち―古代中国の皇帝権力と文学/中国古典文学の「言志」と〈毒〉―孔融と嵆康
A5判 246頁 2012年3月発行 ISBN978-4-87636-335-3
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加藤 国安 著
各時期ごとにその時代背景、庾信の北周での人間関係や官 職を洗い出し、作品を網羅的に読み、作品の繋年を検討し直し、個々の作品の意境・心情・技巧や文学 史的な意義や受容につき分析する。梁朝の栄光期の庾信-言語美の越境者/梁朝の滅亡~西魏期の庾信-祖国喪失の「羈旅」の人/北周期の庾信-新たな生を開 くディアスポラ、の三部構成(上下巻約1300ページ)で新庾信像を提示。
A5判 1282頁 2004年9月 ISBN978-4-87636-235-6
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後藤 秋正 著
人生において遭遇するさまざまな悲哀、とりわけ死にまつわる哀傷を詠じた詩・賦について多角的に考察する。
Ⅰ 臨終の文学
六朝期の「臨終詩」
「臨終詩」の成立とその展開
崔篆の生涯とその「慰志腑」
魏の甄后の死と「塘上行」
遼の蕭后の生涯とその文学
Ⅱ 夭逝者哀悼の文学
哀辞考
蔡邕「童幼胡根の碑銘」と哀辞
幼児の死を悼む詩
幼児の死を哀悼する腑
夭逝者の墓誌銘
Ⅲ 悼亡と葬送の文学
「悼亡賦」論
「送葬詩」論―王褒の詩を中心として
「送葬詩」論―南北朝末期から唐・太宗李世民へ
「送葬詩」論―王維・皇甫冉・顧況の詩について
「摯虞詩」論
A5判 360頁 1998年10月 ISBN4-87636-158-4
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富永 一登 著
第一章 李善注前史
蕭該の『文選音』/曹憲の『文選音義』/許淹・魏模・公孫羅の『文選』注釈
第二章 李善の伝記と「文選学」の成立
江夏の李氏/李善の伝記/李善の「上文選注表」
第三章 板本『文選』李善注の形成過程
唐鈔本との比較/李邕増補説について/集注本との比較/引書の下限
第四章 『文選』李善注の特質
唐代における『文選』の盛行と李善注/李善注の注釈義例/李善注の実証性―五臣注との比較/李善の注釈態度―『漢書』顔師古注との比較/李善の『文選』解釈―引書の使い分け/李善注に見られる修辞学的用語―言語表現への拘り
第五章 『文選』李善注の影響
集注本所引「鈔」/陸善経注/『後漢書』李賢注
第六章 『文選』李善注の活用
A5判 528頁 1999年2月発行 ISBN4-87636-166-5
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清水 凱夫 著
序章 「新文選学」の創建
第一章 『文選』全体像の概観
収録作品の統計による『文選』の全体像把握の必要性/全収録作品の統計による分析/各王朝の存続年数及び遺存作品数と採録作品との関係/収録作品の分野別統計による分析/全文体作品の作家別統計による分析
第二章 『文選』編纂の実態
従来の『文選』編纂実態の究明情況/六朝の「総集」(詩文集)編纂の実態/梁代の「総集」(詩文集)編纂の実態/昭明太子の「総集」(詩文集)編纂実態
第三章 『文選』の実質的撰者
伝統的文選学の実質的撰者に関する見解/『文選』の実質的編者特定の必要性と方法/収録作品の内容分析による『文選』の実質的編者の究明
第四章 『文選』編纂の目的と選録規準
『文選』編纂の動機と目的/『文選』の編纂規準/『文選』収録作品に内在する文学観/昭明太子「文選序」の検討
第五章 『文選』の他書との影響関係及び受容・変遷史
他書との影響関係及び『文選』の受容と変遷史究明の必要性/『文選』と『文心雕龍』との関係―韻文に関する検討/『文選』と『文心雕龍』との関係―散文に関する検討/王羲之「蘭亭序」不入選問題の検討
第六章 「新文選学」の課題と方法
「新文選学」の現状/顧農論文への反論―「頭陀寺碑文」・「廣絶交論」等に関して 「頌」・「上書」等に関して 宋玉「高唐賦」・「神女賦」等に関して/「新文選学」の課題と方法
第七章 『文選』研究の基礎資料―沈約の声律諧和論
沈約「八病」真偽考/沈約声律論考―平頭・上尾・鶴膝の検討/沈約韻紐四病考―大韻・小韻・傍紐・正紐の検討
A5判 552頁 1999年10月発行 ISBN4-87636-175-4
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小尾郊一・富永一登・衣川賢次 著
六朝文化の精華ともいうべき『文選』の語彙は、例えば唐代の詩人達にも承け継がれ、わが国の文学にも影響を与えた。この『文選』の最高の注釈である李善注は言語の典拠、用例を挙げ、『文選』を読むために欠かせぬものであるが、細部の篇目などを示していない。
本書は李善注に引く書物の細部を明らかにし、さらに考証を加えて成った世界初の業績であり、中国文学者の必備の書。現代のテキストと引書を対考した「引書一覧表」を付載。
B5判 384頁 1993年9月第1版第2刷発行 ISBN978-4-87636-103-8
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中嶋 隆藏 著
日本人的な「文人」観とはことなる中国歴代の人びとが描き出してきた「文人」像について、時代をおって実際の資料を広く探り、その諸相と変遷の実態を解析し、現代における「文人」の意味を考える。
〈目次〉
漢魏時代の文人像―王充と曹丕
王充が描く「文人」像/曹丕が描く「文人」像
六朝時代における文人像―葛洪、劉勰、顔之推と姚察
葛洪の『抱朴子』に見える「文人」/六朝後半の「文人」像
唐宋時代の「文人」像―白居易、司空図、蘇軾と陸游
唐代の「文人」像/宋代の「文人」像
明代後期の「文人」批評―胡応麟と顧炎武
“文人層”出現の時代/胡応麟の「文人」批評/顧炎武の「文人」批評
清代中期の「文人」批評―章学誠と趙翼
章学誠の「文人」批評/趙翼の「文人」批評
辛亥革命直前の文人像―周作人と高鳳謙
周作人の「論文章之意義曁其使命因及中国近時論文之失」/高鳳謙の「論偏重文字之害」
民国成立期の文人像―李大釗、胡適、林吾堂、蒋廷黻、瞿秋白と銭鍾書
李大釗の「厭世心与自覚心」と胡適の「文学改良芻議」/林吾堂の「做文与做人」/蒋廷黻の「知識階級与政治」、瞿秋白の「文人」、銭鍾書の「論文人」
4・6判 220頁 2006年2月発行 ISBN4-87636-257-2
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