中国史【唐宋】

橋と異人―境界の中国中世史 【研文選書103】

相田 洋著

茶館、宿屋、橋、義と社などを、空間や時間に印を入れて、内と外を区切る境界的空間として取り上げ、また、無頼、くノ一と幽霊女、用心棒、羅教を異人の世界という観点から分析したユニークな中国史。

〈目次〉

第一部 境界の世界

境界の原理―義と社 

義について/社と義

境界としての宿屋―逆旅の怪 

中国の宿屋/さまざまな宿屋―乞食宿・公事宿/黒店と鬼店

境界としての茶館 

喫茶の普及と茶館/茶館の構造と種類/境界としての茶館

橋と境界

橋と行政、橋と民間の公共事業/橋と市/橋と異人

第二部 異人の世界

異人としての無頼―唐宋時代の無頼

無頼について/唐宋時代の無頼について

くノ一と幽霊女―侠女と幽女

侠女と軟弱男/幽女と軽薄男

中国の用心棒―鏢師・鏢客

鏢師・鏢客の起源/鏢局の成立/清末・民国初期の鏢局/縹局の終焉

水運業者の宗教・羅教

羅教と羅祖/羅教の思想/明末における羅教の展開/羅教から青帮へ

コラム

北京の下宿屋/キン・フー映画と宿屋(客桟)/支那通/現代中国の冥婚事件/中国武経映画の女神たち/武経小説と鏢師・鏢局/映画「グリーン・デスティニー」と鏢師・鏢局

4・6判 398頁 2009年9月発行 ISBN 978-4-87636-302-5

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唐代科挙の文学世界 【研文選書102】

高木 重俊 著

文学史に新たな題材を提供した唐代の科挙文学の世界三百年の展開と変遷を韻文・散文の諸作品と人物を通して考察する。

〈目次〉
「至公」に寄せる思い

古代の伝承から/至公と科挙/至公論に見る士人の面目
韻文篇 

受験生たちの長安/及第詩/落第詩/得喪の悲歓こもごも/詩人のいる風景
散文篇 

干謁の文章 王冷然の書簡/白居易の書簡

筆記小説から 詩人の登場(陳子昴)/及第より友情(白敏中)
貢挙・銓選と「文章」

文章と経国・立身/詩・賦の優位と雕虫・篆刻への批判/銓選と文章意識/正直な文章に正当な評価を/文章はやはり名利の源

詩人任華の咆哮 

任華における李白・杜甫/任華の自薦と文学

4・6判 272頁 2009年2月発行 ISBN978-4-87636-295-0

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