中国史【革命期】
佐藤公彦著
中国民衆ナショナリズム運動の原像を「村」から照射。五年に亙る華北農村調査と厖大な档案史料を駆使。A・スミス団練起源説のレトリックを暴露し、エシェリック説を徹底的に批判。詳細な地図と現地写真を載せた唯一の実証的な義和団「全体史」。
序章 近代中国の反キリスト教闘争と義和団の運動
第一章 義和拳の起源
義和団の起源は「白蓮教」か「団練」か/義和拳の起源―八卦教と義和拳/乾隆三十九年王倫清水教叛乱小論―義和団論序説
第二章 大刀会―山東西南部
山東西南部の大刀会/山東のカトリックと郷村社会―ドイツ神言会/単・碭山教案事件/鉅野事件とドイツの膠州湾占領/四川大足教案―『順清滅洋』
第三章 梅花拳―華北農村社会と義和拳運動・梨園屯村の反教会闘争
山東北部代牧区・直隷東南代牧区のカトリック/梨園屯教案―一八六九年~一八九八年/十八魁・梅花拳会・義和拳/一八九八年蜂起―『順清滅洋』
第四章 戊戌政変と沂州教案―山東東南部
教会問題と戊戌政変の影響/日照事件―シュテンツ暴行事件/沂州教案―アメリカ長老会・神言会/神山教案/ドイツ軍の日照県占領/西南部の動き/毓賢・戊戌政変・己亥立儲
第五章 神拳―山東西北部のおける義和拳の形成
大刀会から神拳へ/神拳=義和拳の形成過程
第六章 直隷東南代牧区の義和拳運動
故城・景州・阜城の義和拳―王慶一と晤修/闘争の激化―『扶清滅洋』・『神助滅洋』/大名府・広平府の状況/光緒二十六年の朱家河教会事件―大虐殺
第七章 直隷中部・北京南部の義和拳
義和拳の拡大―東・北・南・西へ/直隷北部代牧区―保定総鐸区の歴史と状況/淶水事件への序曲―高洛村と倉巨村/清苑事件―東閭教会・義和拳の源流/淶水事件―教民殺害・戕官/転換―「剿」か「撫」か、義和拳の蔓延化/河間県范家圪撻教会防戦
第八章 北京・天津の義和団
列国外交団と清国政府―列国の出兵/北京・天津間の義和団-シーモア援軍との戦闘/天津の義和団運動―ナショナリズムの激発/清朝はなぜ「宣戦」に踏み切ったか―北京紫禁城・五月・満洲族国家主義の激昂
結章 『掃清滅洋』への転回―景廷賓蜂起・袁世凱の抬頭
附録 小林一美著『義和団戦争と明治国家』を評す
人名・地名・事項索引/引用文献一覧
A5判箱入 856頁 1999年9月発行 ISBN978-4-87636-172-☓
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孔祥吉・村田雄二郎著
辛亥革命前夜の十年間に生起した日中関係史上の十二の重要テーマを摘出し、原資料の博捜・考察により独自の解釈を提示する。
〈目次〉
日本の外交文書から見た翁同轣罷免の真相
『翁同轣日記』改削史実
戊戌新政期における光緒帝の対日政策
清末の外交家伍廷芳と日本の関係
義和団時期の張之洞の帝王志向
戊戌前後における孫中山と劉学詢の関係について
章炳麟と支那亡国記念会
陳天華の思想と行動に関する若干の考察
康有為と孔子紀年
康有為と「東学」―『日本書目志』をめぐって
白雲観高道士と清朝宮廷
清末の言論自由と新聞―天津『国聞報』の場合
A5判 388頁 2011年8月発行 ISBN978-4-87636-325-4
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小島晋司著
〈目次より〉
太平天国研究と現代中国
太平天国運動の母体―拝上帝会
拝上帝教、拝上帝会と客家人の関係―一つの試論
太平天国挙兵の経過とその年代―一八五一年ではなく一八五〇年である
初期太平天国兵士十名の供述書―PUBLIC OFFICE OF LONDON所蔵史料
太平天国運動の特質―ドイツ農民戦争と比較して
一八世紀末~一九世紀中葉の民間宗教、民衆運動の思想―日本と中国
平均主義の歴史的性格とその社会的基盤
太平天国の対外観念の変化―変相の華夷思想から民族主義の萌芽へ
リンドレーの墓
魯迅と「阿長と『山海経』」をめぐって―保姆から聞いた「長老」(太平天国)の話
三たび太平天国討論会に参加して
4。6判 256頁 1993年11月発行 ISBN4-87636-115-0
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藤井 昇三・横山 宏章 編
かつて「人民中国の誕生」「社会主義革命の 勝利」という言葉が、同時に中国の開放を意味するものとして、熱狂的に迎えられた。中国共産党は希望の星であった。そうした新しい中国を生み出してきたの が、孫文であり、毛沢東であった。二人はその希望に包まれて語られてきた。その希望は現実の下で大きな試練をうけることとなった。そして中国をめぐる国際 環境も大きく変化してきた。われわれはもはや希望で孫文や毛沢東を語ることはできない。歴史は現在を照らす鏡であるから、現在という現実に映った歴史も見 直す必要があろう。孫文と毛沢東は、新しい中国を創設した原動力となったと同時に、苦悩する現代中国を生み出した源でもある。この点に鑑みて、新たに孫文 と毛沢東の歴史的役割を現代的意義とからませて再検討する必要が生まれたのである。こうした問題意識で、本書の諸論文は激動する歴史の中に誕生したのであ る。(「編集後記」より)
孫文と毛沢東の再検討 藤井昇三・横山宏章
孫文の民族主義 藤井昇三
孫文の民生主義 中村義
孫文の鉄道論 岸田修
孫文と五四運動・ソ連 山田辰雄
孫文の憲政論と国民党独裁 横山宏章
毛沢東の孫文・三国主義観 安井三吉
毛沢東と中ソ新条約の締結 山極晃
毛沢東政治の起点 毛利和子
4・6判 352頁 1992年4月発行 ISBN4-87636-105-3
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嵯峨 隆 著
民族主義・アナキズム・帝制支持論の異質な政治的立場の転変はいかにして正当化されたか。劉師培三五年の生涯を伝統的価値体系と近代中国のそれとの相克という視点から解析。
序章 揚州
第1章 出立―民族の血
一九〇三年/変革者・劉師培の出発/革命家への転換/劉師培の学術/排満民族主義の展開/封建体制批判
第2章 東京―無権力社会の希求
『民報』誌上の劉師培/アナキストへの転換/同盟会の内部対立/劉師培のアナキズム認識/啓蒙と実践―革命のプログラム/社会主義講習会/亜洲和親会と「亜洲現勢論」/エスペラントの普及
第3章 暗転―転向そして帝制
革命運動への背反/転向の要因/帝制支持論
終章 北京―一九一九年
劉師培の故郷を訪ねて―墓探しの顛末/劉師培年表/主要参考文献
附章 日本人と中国アナキズム
4・6判 276頁 1996年4月発行 ISBN4-87636-135-5
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中下 正治 著
中国で発行された日本人経営中国語紙は明治時代に19紙、大正時代に13紙、昭和(満洲事変以後は含まない)に入ってはゼロであって、明治期が最も多い。大正期のそれは、日本の中国における権益区域内に於ける御用紙的役割りを担って存続したにすぎないが、明治期のそれは、啓蒙的な一面を持ち、それぞれの新聞が清末の改良派人士と結びついて、史的限界内とはいえ、清末改革のため短い期間ではあるが独自の働きもしている。本書ではこのように特殊な働きをした中国語紙の性格を探るとともに、新聞という限られた側面から日中交流の一面を考えてみた。
<目次>
漢城新報と小村寿太郎
国聞報と鄭永昌領事
漢報と宗方小太郎
台湾総督府と閩報
東亜同文会と同文滬報
上海新聞小史-太平天国から辛亥革命まで
日本人経営新聞小史
中国語新聞創刊者群像
(資料編)中国における日本人経営の新聞一覧
A5判 308頁 1996年10月発行 ISBN4-87636-140-1
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