中国思想【朱子学・陽明学】
小路口聡編
序論ー良知心学と講学活動(小路口聡)
思想史における王龍溪と講学
心学道統論ー「顔子没して聖学亡ぶ」を中心に(呉震)
講学と講会ー明代中晩期の中国陽明学派を主軸として(銭明)
王龍溪の良知心学
王龍溪の「虚寂感通」思想をめぐって(申緒璐)
王龍溪と周易参道契(伊香賀隆)
陽明学の「知天」における思惟構造ー天主教書『天儒印』と王陽明・王龍溪の思想から(播本崇史)
王龍溪の講学活動
寧国府における王龍溪の講学活動ー水西の会を中心に(鶴成久章)
王龍溪の良知心学と講学活動ー嘉靖三十六年の「新安福田の会」を中心に(小路口聡)
王龍溪の周辺
語らない周夢秀を語るー王龍溪と嵊県の周氏(早坂俊廣)
<唐宋派>と公安派詩学ー王龍溪を基点として(内田健太)
日本における王龍溪
王龍溪はどう読まれたか(吉田公平)
附録 王龍溪講学活動に関する現地調査報告(伊香賀隆・播本崇史)
王龍溪講学活動関係地図(早坂俊廣・播本崇史)
後記╱索引
A5判 444頁 2018年2月発行 ISBN978-4-87636-432-9
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荒木見悟著
序論 本来性と現実性
第一章 華厳経の哲学
逐機と称法/別教一乗と同教一乗/事事無礙の論理/行布門と円融門/信満成仏/心仏衆生
第二章 円覚経の哲学
円覚経の表章/頓悟漸修/絶対知/教禅一致/頓悟漸修と頓悟頓修―宗密・李通玄・禅
第三章 朱子の哲学
大慧宗杲の立場/現実性把握様式の転換/天と心/所当然と所以然/本然の性と気質の性/四端説/未発と己発/持敬/格物致知/豁然貫通
第四章 王陽明の哲学
知行合一/致良知/無善無悪
A5判函入 460頁 1993年11月発行 ISBN4-87636-114-2
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吉田公平著
中国哲学の本領は心性論にある、と著者は主張。朱熹以来、人間の存在の不可視の本性・本質まで論及し、それを心性論という世界のもとに構築した心学思想の論理構造を解析する。
Ⅰ 心学の思惟構造
新儒教徒の「唐宋」観―陸象山を手がかりに/新儒教における正統と異端/朱子学・陽明学における『大学』/韓愈の人間観―性三品説をめぐって/告子について
Ⅱ 朱子の立論とその展開
朱子の『中庸章句』について/『論語集注』の中の孔子/宋本『朱子文集』について/呉康斎論/胡敬斎の思想
Ⅲ 王陽明とその門流
王陽明の遺文遺言について/王陽明の『朱子晩年定論』について/王陽明の贈物―満街のひとは皆な聖人である/徐愛と伝習録/銭緒山の「伝習続録」編纂について/銭緒山の『王文成公全書』所収『文録続編』の編纂について/季彭山の『説理会編』について/明儒胡廬山論―心学の一屈折/李見羅の思想
Ⅳ 西学との出会い
利瑪竇の『天主実義』について/四庫館臣の中体西用論
A5判 500頁 2012年10月発行 ISBN978-4-87636-347-6
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吉田公平著
中江藤樹を嚆矢とする心学の流れを、江戸・幕末維新・明治期に分け、主要人物の思想を解析。
序説 日本心学の特色
Ⅰ 江戸期の心学者たち
カウンセラーとしての中江藤樹/一七世紀の安東省菴/盤珪の不生禅と王陽明の良知心学/盤珪禅師の不生禅が投げかけた問い/雲川弘毅著『心学辨』について/川田雄琴の『予州大洲好人録』/鎌田柳泓の『中庸首章講義筆記』
Ⅱ 幕末維新期の心学者たち
幕末期瀬戸内海の陽明学者/大塩中斎と林良斎/林良斎と池田草庵/東敬治主幹『陽明学』における春日潜庵/春日潜庵先生叢書のことなど/春日潜庵の誠意説前史/春日潜庵の晩年―村上作夫『東遊日記』の世界Ⅲ 明治期の心学者たち
山田方谷の「気生理」の説/明治の陽明学者 春日白水/幸田露伴の『努力論』と陽明学
A5判 448頁 2013年3月発行 ISBN978-4-87636-357-5
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吉田 公平 著
我々が思索するときに日常的に用いることばで、儒教思想、とりわけ陽明学について、その歴史的な意味と今日的な意義を開かれた知の広場で共に考える試み。やさしく書かれた文章と講演筆記で構成。
〈目次より〉
東アジアにおける中江藤樹の位置
陽明学研究の今日的意義
夏目漱石と西田幾太郎―心は善か
陽明学が問いかけるもの
陸象山はなぜ主役になれなかったか
王龍渓について
王陽明の朱子学批判
石門心学と陽明学
性善説の社会的背景
北京日本学研究中心・一九九五
4・6判 234頁 2000年5月発行 ISBN4-87636-186-X
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吉田 公平著
中国古典、とくに陽明学を芳醇な滋味に発酵させ、そのエッセンスを平明な文章で、現代に生きる思想として伝える。
<目次>
Ⅰ |
教養としての陽明学 |
Ⅱ |
「心火」を癒す |
Ⅲ |
共生社会に生きる |
Ⅳ |
資源としての中国哲学 |
4・6判 282頁 2013年4月発行 ISBN978-4-87636-361-2
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吉田公平教授退休記念論集
中国思想史における「聖人」概念の変遷 呉 震
「仁義礼智信」か「仁義礼智」か―現在の朱子学理解を問う 木下鉄矢
朱熹の鬼神論の構造―生者と死者をつなぐ領域 牛尾弘孝
宋明心学における「現在」主義の思想 小路口 聡
すれちがう言葉―羅欽順の陽明学像 市来津由彦
王門欧陽徳の学問とその会試程文 三浦秀一
王一庵の誠意説―王心斎との関係の中で 荒木龍太郎
天真精舎と陽明門下 鶴成久章
明代中晩期に吉安地区で展開された王学講会活動―浙中王門と江右王門との比較から出発して 銭 明
慈湖の楊簡論 早坂俊廣
明末のおける大慧派出現の意味―蜀の吹万広真 野口善敬
『天学初函』における『職方外紀』の位置が示すこと 安部 力
寛文二年の伊藤仁斎 田尻祐一郎
古賀侗庵の大塩中斎批判 前田 勉
盛岡藩儒、照井一宅と江帾五郎の思想 中村安宏
〈教諭〉社会という視点―清、琉球、江戸をつなぐもの 中村春作
丁敬と黄易をめぐる人々 高橋博巳
蔡温の儒教 佐久間 正
柳詒徴と日本 野田善弘
吉田公平教授業績目録
A5判函入 460頁 2013年3月発行 ISBN978-4-87636-358-2
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小路口 聡著
陸九淵が生きていた時代の中で、どのような問題に直面して生きていたのか、どのように思索し、どう対処していこうとしたのか、生きられた哲学としての、臨床哲学としての、陸九淵心学の意義を解明する。
序章 「学ぶ」ことの意味について―陸九淵心学の課題
Ⅰ 陸九淵と朱熹
陸九淵と朱熹―「曹立之」観をめぐって/陸九淵門人群像/朱熹の曾點観―陸九淵批判の一視座
Ⅱ 陸九淵の朱子学批判
心の病は医し難し/事実の楽しみ、言語の病/響き溢れる聲の力―「臨床哲学」としての陸九淵心学
Ⅲ 「即今自立」の哲学
陸九淵の「当下便是」説は「頓悟」論なのか―「即今自立」の哲学・序章/陸九淵の性善説再考―構造的人間観を越えて/陸九淵の「即今自立」の哲学―あるいは、哲学の「現場」について/本当の「学」を求めて―ソクラテス・陸九淵・林竹ニの仕事
A5判 442頁 2006年12月発行 ISBN4-87636-268-8
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陳 淳著 佐藤 仁訳・解題
朱子の思想のあらましを知るのに、何か好い入門書はないものかと思案した結果、・・・朱子の高弟の一人である陳淳の『北渓字義』に思い当たった。これだと分量もそんなに多くはないし、内容的にも朱子学の思想構造を知るのに手頃な入門書である。
『北渓先生字義』は、朱熹の高弟の陳淳の講義を、陳淳の弟子の王雋が記録編集したものである。・・・宋代性理学の分野で頻繁に使用されている重要な術語、とはいっても・・・当然のことながら、そのほとんどが古代の経書、なかんずく程朱が尊重した『四書』の中に出典があり、儒学の基本的な概念として、すでに馴染み深いものばかりであるが、その中の特に重要なものを選び出し、宋代性理学者達が、それらにいかなる意味内容を付与したかを、思想史的な背景をも充分に考慮しながら、詳細に解説し、それによって宋代性理学の理論構造を明確にしようとしたものである。従来から宋代性理学の入門書、あるいは概説書として多数の人士に愛読され、過去七百年間にわたって、中国はもちろんのこと、朝鮮、日本においても各種の刊本が刊行されて来た。(本書p.239より)
4・6判 246頁 1996年3月発行 ISBN4-87636-134-7
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木下鉄矢著
生きて動いていた朱熹の思考のその時々の動態を、一つ一つのテキストをその時々の記録として読むことによって再現し観察し、朱熹の「思索を生態」を捉え、従来の「朱子学研究」の方法を見直す。
第一章 鏡・光・魂魄
「明」と「照」/「心」のモデルとして/月を鏡とすること/魂魄/眼球と視能力/月の光/「火日は外影、金水は内影」/鏡/疑問
第二章 様々な時間
一昼一夜/天気流行/元亨利貞/熟
第三章 「與道為體」―世界存立の形而上学的根拠
第四章 「易」理解
朱熹「卜筮説」再考/卜筮説の後先/易の心髄―数理/人の立つ所
第五章 「治」より「理」へ―陸贄・王安石・朱熹
A5判 400頁 1999年6月発行 ISBN4-87636-171-1
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木下鉄矢著
その哲学的言語行為を読み解き、「格物」理解の分析を通じて、朱熹が人と世界全体を凝視したものの見方・視角を明らかにする。
〈目次より〉
朱熹の思索、その面差しと可能性
程伊川の「主一」について
『論語』の現れる第一人称代名詞「予(われ)について
土田健次郎氏『道学の形成』第四章「程頤の思想と道学の登場」を読む―「理一」理解をめぐって
「命」と「令」―朱熹の「天命之謂性」解釈
「事」「物」「事物」「事事物物」-朱熹の「致知在格物」解釈を理解するために
「格物」とい陥穽
『朱子語類』に見える「物事」について
朱熹「格物」理解の構造―「有物有則」解釈をめぐって
A5判 436頁 2009年9月発行 ISBN978-4-87636-301-8
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