福田殖著作選 全二巻
福田殖先生は、楠本正継先生の学統を承けて、宋明の儒学思想の基調を丁寧に読み解かれて、ともすると等閑視されがちであった元代の儒教をも論究されました。・・・福田殖先生の論文には、読者を驚かすような「険語」は含まれていません。坦々とした論述ながら、原典を深く読みこんだ上での、滋味豊かな論述ですので、教えられることの多い論考です。また、楠本正継、岡田武彦の両先生はもとより、荒木見悟先生、島田虔次先生らの論考を始め、中国の銭穆、牟宗三、侯外廬らの碩学の業績をも参照し、さらに新進気鋭の研究論文をも踏まえて叙述されています。研究史を踏まえた上で、自らの理解を諄々と叙述されていますので、説得力に富んでいます。読者の皆さんには、十分に味わって頂きたいと思います。(まえがき・吉田公平)
まえがき(吉田公平)
Ⅰ 道学詩
朱子の道学詩について/宋明の道学詩に関する二、三の問題
Ⅱ 宋代篇
范仲淹に関する二、三の問題/胡安国小論/張南軒に関する二、三の考察/張南軒初年の思想/朱子の死生観について
Ⅲ 元代篇
許衡について/元代の経学者許衡―その思想的特色/呉澄小論
福田殖先生の学問(疋田啓佑)
A5判 556頁 2016年12月発行 ISBN978-4-87636-415-2
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福田殖先生は楠本正継先生に薫陶を受けられて、中国哲学の中でも近世の新儒教、とりわけ朱子学・陽明学を中心にすえて研究された。福田殖先生も純正哲学を思索の糧にされながら、楠本正継先生がそうであったように、もろにそれを露わにすることを控えられて、専ら中国・朝鮮・日本における朱子学と陽明学に焦点をあてて研究された。本書は日本と朝鮮における朱子学に関する論文を収録した。(まえがき・吉田公平)
1 本篇
陳元贇・朱舜水と安東省庵/朱子学の伝来と李退渓(滉)の朱子学の特色/李退渓の『自省録』について/李退渓と崎門学者楠本碩水〔報告〕/楠本碩水/大橋訥庵の『闢邪小言』について/小笠原敬斎略伝・資料/春日潜庵による『蕺山人譜』『王心斎全集』
2 附篇
『端山先生遺言』解題/幕末維新に影響した儒者/よみがえる西海の儒者 隠遁し「心」の本体問う/楠本端山/福岡藩の藩校/「旧棠館」の扁額と亀井昭陽肖像/岡田武彦先生の生涯と学問/荒木見悟先生の学問/日本陽明学の特色/福田殖先生とのご縁(吉田公平)
A5判 324頁 2016年10月発行 ISBN978-4-87636-411-4
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