中国文学【宋代】
加納留美子著
蘇軾詩論―反復される経験と詩語 目次抄
序章 蘇軾詩における反復性とその検討
第1章 徐州時代の蘇軾―「自作参照」の視角から
第2章 「人衆者勝天、天定亦勝人」―詩人が託し、詠った「天報論」
第3章 「夜雨対牀」—蘇軾兄弟を繋いだもの
第4章 梅花の「魂」―詠梅詩における「自作参照」
第5章 蘇軾羅浮山詩考―繰り返された「作法」
第6章 海南時代の詩における風景描写―詩人としての挑戦
終章―「自作参照」が齎したもの
主要参考文献一覧/あとがき/索 引
A5判上製 352ページ 2022年10月刊 ISBN978-4-87636-472-5
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浅見洋二著
文学作品(テクスト)を取り巻く社会的状況を官僚士大夫の集団が形作る"公”と思想・心情を共有する友人・同士がつくる"私”という圏域(ネットワーク)に分けて考察。"私”たる「草稿」と"公”である「言論統制」の関係・影響を、宋代の文学を中心に解析する。
中国宋代文学の圏域 目 次
序言 テクストの「公」と「私」―文集について
第一部 草 稿―文学テクストの生成
序
第一章 校勘から生成論へ
―蘇軾・黄庭堅詩注における真蹟・石刻の活用をめぐって
第二章 黄庭堅詩注の形成と黄シュン『山谷年譜』
―真蹟・石刻の活用を中心に
第三章 テクスト生成論の形成
―欧陽脩撰『集古録跋尾』
から周必大編『欧陽文忠公集』へ
第二部 言論統制―文学テクストと権力
序
第一章 「避言」ということ―『論語』憲問からみた言論と権力
第二章 言論統制下の文学テクスト―蘇軾の文学活動に即して
第三章 テクストと秘密―言論統制下の文学テクスト・補説
結 語 皇帝のまなざしと詩人のこころ
あとがき/主要引用書目/主要人名索引
A5判上製 348ページ 2019年9月刊 ISBN978-4-87636-447-3
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内山精也著
まえがき
Ⅰ 宋詩は「近世」を表象するか?
-新しい詩人階層の興起と出版
01宋詩は「近世」を表象するか
-江湖派研究事始 その一ー
02宋代印刷出版業の発展と宋詩の「近世」化現象
-江湖派研究事始 その二ー
03宋末元初の文学言語
-晩唐体の行方ー
04中国近世黎明期の文学
05南宋江湖詩人の存在意義
Ⅱ 宋詩と江湖
06宋代八景現象考
07長淮の詩境
-『詩経』から北宋末までー
08長淮の詩境 南宋篇
-愛国・憂国というイデオロギーー
Ⅲ 蘇学余滴
09両宋櫽括詞考
10蘇東坡の「文」を読む
11蘇軾「元軽白俗」弁
12東坡肉の本家争い
13東坡スピリットと東坡現象
-現代中国の蘇東坡ー
14一海外東坡愛好者としての願い
-湖北黄岡「東坡国際論壇」における発言ー
15黄庭堅と『論語』
16東坡と山谷の万里の交情
-「黄州寒食帖」をめぐってー
17万里集九と宋詩
Ⅳ 読書雑識
18銭鍾書と『宋詩選注』
19『宋詩選注』の読み方
-復旦大学中文系王水照教授に聞くー
20銭黙存先生のこと
21蘇東坡愛読者に戦後最大級の福音
-山本和義著『詩人と造物 蘇軾論考』簡介ー
22村上哲見著『宋詞研究 南宋篇』を読む
23中国言語芸術の奥魏を究める詞学研究
-松尾肇子著『詞論の成立と発展 張炎を中心として』
刊行に寄せてー
24橄欖のこと
-会誌『橄欖』の創刊に寄せてー
あとがき/初出一覧
A5判 450頁 2018年5月発行 ISBN978-4-87636-435-0
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種村和史著
従来の枠組みにとらわれずに、詩経学の学的理念と方法の形成と継承の様相を、北宋の詩経学に視点をあてることにより追求する。
はじめに-本研究の概要
第一部 歴代詩経学の鳥瞰
第一章 イナゴはどうして嫉妬しないのか?
第二章 妃は夫のために賢者を求めるのか
第二部 北宋詩経学の創始と展開
第三章 欧陽脩『詩本義』の揺籃としての『毛詩正義』
第四章 『詩本義』に見られる欧陽脩の比喩説
第五章 詩の構造的理解と「詩人の視点」
第六章 蘇轍『詩集伝』と欧陽脩『詩本義』との関係
第七章 蘇轍『詩集伝』と王安石『詩経新義』との関係
第八章 小序に対する蘇轍の認識
第九章 漢唐の詩経学に対する蘇轍の認識
第十章 深読みの手法
第三部 解釈のレトリック
第十一章 それは本当にあったことか?
第十二章 一般論として
第十三章 いかにして詩を作り事と捉えるか?
第十四章 詩を道徳の鑑とする者
第十五章 詩人のまなざし、詩人へのまなざし
第十六章 作者の意図から国史と孔子の解説へ
第四部 儒教倫理と解釈
第十七章 国を捨て新天地をめざすのは不義か?
第十八章 詩によって過去の君主を刺ることは許されるのか?
第十九章 なぜ過去の君主を刺った詩と解釈してはならないのか?
第五部 宋代詩経学の清朝詩経学に対する影響
第二十章 訓詁を綴るもの
まとめ
論文初出一覧/参考文献/後書き
引用書名著者名索引/引用注釈一覧表
A5判 1036頁 2017年10月発行 ISBN978-4-87636-426-8
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東 英寿 著
全く知られていなかった歐陽脩の書簡九十六篇を整理し校点を施し掲載する。九十六篇をめぐる考察の上篇と歐陽脩全集についての論究の下篇の二部構成。
〈目次〉
上篇
一 歐陽脩の書簡九十六篇の発見について
二 新発見書簡九十六篇
三 新発見書簡と通行本書簡の関係―新発見書簡35「又(与孫威敏公)」、42「与劉待讀」、69「与杜郎中」、70「又(与杜郎中)」の四篇と通行本収録書簡との内容重複に着目して
四 新発見書簡に関する一考察
下篇
一 周必大原刻本『歐陽文忠公集』について
二 天理本『歐陽文忠公集』について
三 歐陽衡『歐陽文忠公全集』について―中華書局『歐陽脩全集』の底本選択の問題点
四 李之亮箋注『歐陽脩集編年箋注』の問題点について
五 洪本健校箋『歐陽脩詩文集校箋』について
附篇 歐陽脩の書簡発見記
A5判 230頁 2013年2月26日発行 ISBN:9784876363551
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和田英信 著
作品が生み出され、読まれる際の考え方のかたち、即ち、文学の創造と受容における思考様式を中国古典の中に探ったユニークな研究書。
〈目次〉
Ⅰ文学の歴史をみる目
「古と今」の文学史―中国の文学史的思考
中国の文学史的思考―『漢書』藝文志詩賦略、そして『宋書』謝霊運伝論
建安文学をめぐって
平淡について―唐詩と宋詩に関わる幾つかのこと
唐宋両朝詩比較論の成立と『滄浪詩話』
Ⅱテクストからテクストへ
模擬と創造―六朝雑擬詩小考
聯句から次韻へ
李賀という詩人像―李商隠「李賀小伝」と李賀の物語
古文の修辞学―欧陽脩の場合
蘇軾の詠画詩(一)―熙寧年間を中心に
蘇軾の詠画詩(二)―元祐年間を中心に
Ⅲ中国文論のかたち
王陽脩「詩話」の表現形式
詩話の成立とその変容
日本近世期の詩話について
〈文話〉について―〈文章読本〉源流小考
A5判 348頁 2012年11月発行 ISBN978-4-87636-349-0
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入谷 仙介 著
王維と陸游を主題とし、両者を繋ぐ中晩唐宋代の文学をテーマとする論考との三部構成で編む。研究に一生を捧げた中国文学者の遺稿集。
〈目次〉
Ⅰ 継承と超克―王維と杜甫・元稹
乾坤と天地―杜甫の世界観の手がかりとして/悼亡詩について―潘岳から元稹まで/王維の応制詩について/王維の詩における音声表現
Ⅱ 陸 游―宋代士大夫の一典型
此身合是詩人未―陸游の剣門体験の意義/陸游と蛍/陸游の夢の詩についての一考察/虁州における陸游
Ⅲ 唐代文学の一側面
白居易と女性たち/白居易の「琵琶引」―その成立についての一考察/二つの「平淮西碑」―韓愈と段文昌/王維から杜甫へ/唐代の楽府について/晩唐の詩人たち/隠逸の境地―隠者の苦悩と喜び
編集後記(道坂昭廣)
A5判 328頁 2011年9月発行 ISBN978-4-87636-328-5
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内山 精也 著
宋代を代表する詩人である蘇軾(東坡)を官僚・学者・詩人の三位一体型の士大夫詩人の一典型という観点から考察。文学的視点のみならず歴史・思想の面からも分析を加えた画期的論考。
〈目次〉
Ⅰ 士大夫としての蘇軾
第一章 |
宋代士大夫の詩歌観―「蘇黄」から江湖派へ |
第二章 |
蘇軾の杭州時代―騒客と太守 |
第三章 |
蘇軾「廬山真面目」考―「題西林壁」詩の表現意図をめぐって |
第四章 |
蘇軾の文学と印刷メディア―同時代文学と印刷メディアの邂逅 |
Ⅱ 東坡烏台詩案考
第五章 |
東坡烏台詩案考(上)―事件の顛末と文字獄としての〈詩案〉 |
第六章 |
東坡烏台詩案考(下)―北宋後期士大夫社会における文学とメディア |
第七章 |
「東坡烏台詩案」流伝考 |
Ⅲ 蘇軾詩の技巧
第八章 |
蘇軾次韻詩考 |
第九章 |
蘇軾次韻詞考―詩詞間に見られる異同を中心として |
第十章 |
蘇軾いん括詞考―陶淵明「帰去来の辞」の改編をめぐって |
Ⅳ 蘇軾の周辺
第十一章 |
王安石「明妃曲」考(上)―その文学史的意義と歴代の批判 |
第十二章 |
王安石「明妃曲」考(下)―北宋中期士大夫社会における詩歌と言論 |
第十三章 |
張先和韻詞二首繋年考―夏承とう「張子野年譜」訂補 |
第十四章 |
郭祥正と「和李詩」 |
第十五章 |
黄庭堅と王安石―黄庭堅の心の軌跡 |
A5判 672頁 2010年10月発行 ISBN978-4-87636-314-8
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山本 和義 著
蘇軾の人と文学について鋭利に解析した十四の論考と宋代文学の魅力と特色を考察した四篇、 赤壁の賦につき二篇を収載。
第一部 蘇軾詩論考
蘇軾の生涯とその文学/蘇軾詩論考/詩人と造物/造物の諸相/詩人の長嘯/南行集とその周辺/南行集の蘇軾詩/望湖楼酔書詩/洋川園池詩/洋川吏隠詩/嶺外の詩/蘇軾の詩にあらわれた人生観/詩人が引き出す江山の美/蘇軾における詩と名字/「身世悠悠」のうた
第二部 「赤壁の賦」論考
「前赤壁の賦」初探/黄州の蘇軾と「赤壁の賦」
第三部 宋代文学論考
宋代の文学/宋代の詩/小川環樹先生と宋代文学/宋代文学研究の礎
A5判 360頁 2002年10月発行 ISBN978-4-87636-212-2
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澤田 瑞穂 著
宋代から清末までの俗語体小説についての論稿十九篇を収め好評を博した旧著の選書版。「随筆金瓶梅」「西遊演義枝譚」をはじめ公案(裁判)小説、「小説娯目鈔」などに著書の蘊蓄がかたむけられる。
〈目次〉
発跡変泰
紅蓮柳翠
「四帝仁宗有道君」―明代説昌詞話の開場慣用句について
索・刀・薬―『前前太平記』の一挿話と明代公案小説
宝蓮寺奸僧事件
芙蓉屏異伝
張一飛公案その他
公案綺聞鈔
擬装入水殺人事件/雷公殺人事件/六本指の男/勘釘余響/姦夫が姦婦を殺す話/訟師の悪智慧/感孕奇案/烈女切腹異聞/犯姦婦杖刑の事/戸板流しの私刑/強姦か和姦か
玉堂春散策
砒霜の禁
『金瓶梅』の研究と資料
随筆金瓶梅
西門家伝説/潘金蓮の眸/張竹坡の「読法」/満文金瓶梅/金瓶梅伝奇/俗曲中の潘金蓮/明治訳金瓶梅/明治の西門慶/葡萄棚の下で
西遊演義枝譚
道書と見られた西遊記/唐僧取経嘆拾声/西遊記の草双紙/唐三蔵の杖
小説娯目鈔
宜春香質/警世選言/哈密野史/帰蓮夢/驚夢啼/幻中真/鴛鴦配/療妬縁/永慶昇平/忠孝勇烈木蘭伝
清末の小説
遊戯―清末小説管見
地獄の報告書―李伯元作『活地獄』のこと
清末文学一隅
蒋剣人撰ジャンヌ・ダルク伝/梁啓超の羅蘭夫人伝/三害問題と小説/日露交戦と時事歌謡
清末の「新名詞」論議
小説瑣話―解説にかえて(堀誠)
4・6判 370頁 1996年7月選書版発行 ISBN4-87636-137-1
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中嶋 隆藏 著
日本人的な「文人」観とはことなる中国歴代の人びとが描き出してきた「文人」像について、時代をおって実際の資料を広く探り、その諸相と変遷の実態を解析し、現代における「文人」の意味を考える。
〈目次〉
漢魏時代の文人像―王充と曹丕
王充が描く「文人」像/曹丕が描く「文人」像
六朝時代における文人像―葛洪、劉勰、顔之推と姚察
葛洪の『抱朴子』に見える「文人」/六朝後半の「文人」像
唐宋時代の「文人」像―白居易、司空図、蘇軾と陸游
唐代の「文人」像/宋代の「文人」像
明代後期の「文人」批評―胡応麟と顧炎武
“文人層”出現の時代/胡応麟の「文人」批評/顧炎武の「文人」批評
清代中期の「文人」批評―章学誠と趙翼
章学誠の「文人」批評/趙翼の「文人」批評
辛亥革命直前の文人像―周作人と高鳳謙
周作人の「論文章之意義曁其使命因及中国近時論文之失」/高鳳謙の「論偏重文字之害」
民国成立期の文人像―李大釗、胡適、林吾堂、蒋廷黻、瞿秋白と銭鍾書
李大釗の「厭世心与自覚心」と胡適の「文学改良芻議」/林吾堂の「做文与做人」/蒋廷黻の「知識階級与政治」、瞿秋白の「文人」、銭鍾書の「論文人」
4・6判 220頁 2006年2月発行 ISBN4-87636-257-2
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