中国文学【近現代】
『野草』百号記念号編集委員会編
中国文芸研究会の会誌『野草』百号記念号。病、都市、立場、ジェンダー、家族、娯楽、メディアをテーマとする十四篇の論考を収録。
中華文藝の饗宴 〈目次〉
Ⅰ 「癩」と鴉片
清末小説『鴉片案』論 藤井得弘
植民地台湾の「癩短歌」を読む 星名宏修
Ⅱ 青島と深圳
国と省のはざまで 中野 徹
深圳文学に読む物語 高橋 俊
Ⅲ 啓蒙者と傍観者
もう一つの「阿Q正伝」 上原かおり
「傍観者」の詩論 津守 陽
Ⅳ 白い胸とどじょう髭
男旦とモダンガール 田村容子
キャラクター論から見る
王先生 城山拓也
Ⅴ ひずみゆく家族
「新中国」の親子 松村志乃
虹影『K(英国情人)』論 阿部沙織
Ⅵ 農村とハリウッド
建国後十七年の農村劇団
と幕表制 大野陽介
張愛玲映画脚本『小児考』 河本美紀
Ⅶ 覚醒するメディア
光復後初期台湾における
女性文芸の発見 豊田周子
一九五〇年代台湾の
通俗小説研究 張 文菁
野草漫語 『野草』百号記念号編集委員会
A5判 415ページ 2018年11月刊 ISBN978-4-87636-440-4
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岡田英樹著
Ⅰ 古丁論再攷
明日へ橋を架ける男/散文詩集『浮沈』の世界/古丁の「附逆」作品再検討/言語創造の探検家―日本語利用の問題をめぐって
Ⅱ 作家論
李輝英「万宝山」―事実と虚構のはざま/田琳の留学時代―「愛の破綻」をめぐって 附:田琳さんの死を悼む/山丁の北京時代/石軍「沃土」―排除される都市空間/大東亜文学授賞の波紋―袁犀「貝殻」を読む
Ⅲ 資料が語る「文学」の諸相
「夜哨」の隔絶した世界 附:「夜哨」総目次/中国語による大東亜文化共栄圏―雑誌『華文大阪毎日』・『文友』の世界/後期『芸文志』―「満洲国」末期の 中国文学 附:『芸文志』総目次/日本語と中国語の交差するところ―「満洲国」における翻訳 附:山丁選編『満文近代世界詩選』紹介/断絶と連帯―「満洲
国」は関内文化情報をどのように受容したのか/大東亜共栄圏のほころび―第3回大東亜文学者大会の実相/首都警察による特務工作の実態/消し去られた日本 語―「満洲国」における検閲の実相/「蕭軍文化報事件」と「在満」の作家たち 附:復刊『文化報』総目次
資料編
日本における「満洲国」の文学研究論文一覧/内海庫一郎「酒友古丁追想」/首都警察の偵謀・検閲報告書
A5判 464頁 2013年8月発行 ISBN:978-4-87636-364-3
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阿部幸夫 編著
中国映画に一時代を画した巨匠の若き日の魂の記録=夏衍「日本留学日記」の完訳。
事項・人物の注釈および日記の周辺についても解説。関連する初期の創作、詩、エッセイも収む。図版多数。
〈目次より〉
一月 江浙戦争と留学生活のジレンマ
二月 義和団賠償金の行方と文学修業
三月 孫文逝く日/京阪神電力事情の研修見学
四月 童心、映画、そして谷崎潤一郎
五月 国恥記念日/パンチェン・ラマ
六月 家郷を思う/許婚者留学と祖国風騒
七月 揺れる心
八月 杭州/女子留学と厚い障壁
九月 再び東渡/郭沫若、「獅吼」など
十月 母の心痛/明専と軍事教育
十一月 電気専攻と文学志向の虚実
十二月 奈良の月 京都の街
宰白初期創作集
残雪/新月の下/童心頌讃/聖誕の夜
仁和沈氏家譜
あとがき―大正デモクラシーと日本への留学
4・6判 354頁 2008年2月発行 ISBN978-4-87636-279-0
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西槇 偉著
近現代中国の代表的な知識人のひとり豊子愷の文学を、夏目漱石やラフカディオ・ハーンとのかかわりから読み解く。豊子愷の漱石やハーンからの影響を明らかにし、そこから漱石やハーンの小品文学の特色を浮かび上がらせる。
〈目次〉
Ⅰ 豊子愷の初期作品と夏目漱石
門前の彷徨―「法味」と「初秋の一日」および『門』/幼児体験の光と影―「憶児時(幼児の思い出)」と『硝子戸の中』/心の隔たり―「華瞻的日記(華瞻の日記)」と「柿」/異文化の対話―「縁」と「ケーベル先生」
Ⅱ 円熟期の豊子愷文学と夏目漱石
桃源の理髪店―豊子ガイと『草枕』/異国の師の面影―「林先生」と「クレイグ先生」、「藤野先生」/「自然」の美学―「帯点笑容(ちょっと笑ってください)」と『硝子戸の中』/「時」の力にあらがう「文学」―『縁縁堂続筆』と『硝子戸の中』
Ⅲ 豊子愷とラフカディオ・ハーン
響きあうテキスト―「蝌蚪(オタマジャクシ)」と「文鳥」、「草ひばり」/自己神話的文学の背景―「蜜蜂」と「蠅の話」/アリへの賛歌―「清晨(早朝)」と「蟻」
豊子愷小伝
豊子愷略年表
4・6判 376頁 2011年6月発行 ISBN978-4-87636-320-9
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今村 与志雄 著
中国文学が世界文学の一環として同時代性を獲得した三〇年代に晩年を迎えた魯迅、また彼と同時代人-鄒韜奮・許地山・郁達夫-について、左連や出版と検閲の問題など時代状況を踏まえつつ論究する。
晩年の魯迅
晩年の魯迅―魯迅研究の領域に即して/「国防文学論争」と魯迅/出版と検閲―一九三〇年代を主として
魯迅につづく人々
三〇年代の許地山―ある作家・学者の後半生/あるジャーナリストの誕生―鄒韜奮ノート1/鄒韜奮と魯迅―鄒韜奮ノート2
魯迅の筆名 その他
郁達夫の『閑書』―読書ノート/魯迅のペンネーム その他
4・6判 266頁 1982年5月発行
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鈴木 正夫 著
敗戦直後、スマトラで日本人憲兵の手により殺害された郁達夫の生涯と活動を、魯迅とのかかわり、郭沫若の帰国問題、杭州時代また晩年のシンガポール時代の達夫など、主要な問題を考察しつつ跡づける。
<目次>
郁達夫―その生涯と行動
創造社脱退前後
『奔流』『大衆文芸』編集時代―魯迅との交渉を中心に
魯迅の七律「阻郁達夫移家杭州」
郭沫若の帰国と郁達夫
晩年の郁達夫―シンガポール時代を中心として
「文学作品はすべて作家の自叙伝である」について
陳儀についての覚え書―魯迅、許寿裳、郁達夫とお関わりにおいて
4・6判 260頁 1994年6月発行 ISBN4-87636-119-3
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阿部 幸夫 著
魯迅が書簡をしたためた詩箋は単なる用箋を越えた魯迅その人の生き方・文学と芸術的感性の象徴であった。『北平箋譜』『十竹斎箋譜』はもとより、詩箋と書簡という斬新な視角から描く魯迅論。
口絵はカラーで詩箋の美しさを伝える。
魯迅書簡の箋紙―序に代えて 王得后
箋紙と「師曾、茫父の時代」
古書店主もしくは箋紙店のおやじ/槐堂と俟堂/専墨館主人のことなど
『両地書』〈第三集〉のころの花紙、箋紙
あなたの「小白象」/花箋にのせて/女侠―摸渭長本/『北平箋譜』への模索
『北平箋譜』と魯迅書簡
西諦へ―合作の呼びかけ/書簡譜から詩箋へ/鄭振鐸の〈箋紙を訪ねて〉/『北平箋譜』と『北京箋譜』/詩箋在上海/魯迅使い残しの箋紙
芭蕾舞箋、温庭筠詩題箋 その他
バレリーナ箋/夏暦元月/ロシアの匂い/温庭筠詩題箋
芥子園蘭花箋のこと、澄心堂箋のこと
戦士の休息、そして再思/花を愛で花を惜しみ/芥子園蘭花箋/十竹斎と澄心堂
〔別表〕魯迅原信に見る詩箋、書簡箋目録
A5判 276頁 2002年1月発行 ISBN978-4-87636-204-2
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中嶋 隆藏 著
日本人的な「文人」観とはことなる中国歴代の人びとが描き出してきた「文人」像について、時代をおって実際の資料を広く探り、その諸相と変遷の実態を解析し、現代における「文人」の意味を考える。
〈目次〉
漢魏時代の文人像―王充と曹丕
王充が描く「文人」像/曹丕が描く「文人」像
六朝時代における文人像―葛洪、劉勰、顔之推と姚察
葛洪の『抱朴子』に見える「文人」/六朝後半の「文人」像
唐宋時代の「文人」像―白居易、司空図、蘇軾と陸游
唐代の「文人」像/宋代の「文人」像
明代後期の「文人」批評―胡応麟と顧炎武
“文人層”出現の時代/胡応麟の「文人」批評/顧炎武の「文人」批評
清代中期の「文人」批評―章学誠と趙翼
章学誠の「文人」批評/趙翼の「文人」批評
辛亥革命直前の文人像―周作人と高鳳謙
周作人の「論文章之意義曁其使命因及中国近時論文之失」/高鳳謙の「論偏重文字之害」
民国成立期の文人像―李大釗、胡適、林吾堂、蒋廷黻、瞿秋白と銭鍾書
李大釗の「厭世心与自覚心」と胡適の「文学改良芻議」/林吾堂の「做文与做人」/蒋廷黻の「知識階級与政治」、瞿秋白の「文人」、銭鍾書の「論文人」
4・6判 220頁 2006年2月発行 ISBN4-87636-257-2
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