松浦友久著作選 全四巻
松浦友久著作選Ⅰ
第一部 対偶論
対偶表現の本質―関連諸説との比較において
「的名対」と「総不対対」―対偶論ノート
六朝新体詩から唐代近体詩へ―「対偶性」と「拍節リズム」を中心に
「来⇔去」対比の基本義―辞典類の記述の適否を中心に
第二部 声調論
声調の史的変化に関する基礎的な論点―韻律意識の展開に即して
散san(上声)とsan(去声)に関する二三の問題―動詞用法における上去対立の意味するもの
ふたたび散san(上声)とsan(去声)について―論点の確認とその当否
葡萄と琵琶の声調についてー声調のユレとその原因
「繆氏」の発音の史的変化と日本漢字音―「入声・去声」の関係に即して
李善音注「趨、避声也」―「帰去来兮辞」の修辞効果に関する一考察
李善注本「文選序」の音注について―「加注者」の検討と「別、入声」の解釈
認識の枠組としての「平上去入」体系―「中古的古典学」の形成と継承
杜牧「茶煙軽颺落花風」(題禅院)―去声の「調値」と近体詩の韻律
第三部 教学論
中国文(文言―白話)読解のための三つのポイント―対句・虚字・リズム
漢字・漢語辞典の索引学―「語彙検索」の可能性を中心に
「漁夫」の音読について―訓読学・音読学における破音の機能
語学教材としての中国古典―中国語の文学性・学術性について
文化言語としての中国語
「訓読古典学」と「音読古典学」―その意義と相補性について
詩歌芸術としての漢字・漢語―「漢俳句」に至る日中交流
〈解題〉古谷昭弘
A5判函入 378頁 2003年9月発行 ISBN4-87636-223-8
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松浦友久著作選Ⅱ
第一部 陶淵明論
「不羈」の詩人―もう一つの陶淵明像
陶淵明の「有会而作」について―「嗟来説話」と「固窮説話」の機能の異同を中心に
「即事多所欣―事に即して欣ぶところ多し」―陶淵明「懐古田舎」の説理性について
陶淵明「答龐参軍、并序」考―連章構成の解釈を中心に
陶淵明の辞賦―「帰去来兮辞」を中心に
陶淵明の「読史述九章」について―その文体的系譜と実作意図
陶淵明の「勧農」詩について―知識人社会における「憂道」と「憂貧」
〈講演〉陶淵明理解のための二つのポイントー「詩的説理」と「詩的リズム」
陶淵明「曖曖遠人村」(帰園田居、其一)の解釈について―その所在と理念を中心に
音読古典学の効用―陶淵明「神釈」を例として
第二部 白居易
白居易における陶淵明―詩的説理性の継承を中心に
白居易における「適」の意味―詩語史における独自性を基礎として
白居易のリズム―詩型とその個性
「長恨歌」の主題について―「恨」の主体と作者の意図
白居易の文学論
〈書評〉下定雅弘『白氏文集を読む』
〈解題〉井上一之・埋田重夫
A5判函入 2004年6月発行 ISBN4-87636-232-7
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松浦友久著作選Ⅲ
第一章 総論
上代漢詩文における理念と様式―詩文実作の意味するもの
韻文とその響き―日本語と中国語のあいだ
第二章 賦論考
『文選』と『本朝文粋』における賦の地位
上代日本漢文学における賦の系列―『経国集』『本朝文粋』を中心に
藤原宇合「棗賦」と素材源としての類書の利用について―上代漢文創作の一つのパターン
『初学記』の渡来と「棗賦」の成立
第三章 勅撰三漢詩集考
『凌雲集』の編次
『陵雲集』の対境
『陵雲集』の詩体
『文華秀麗集』考
『経国集』論考―詩を中心として
勅撰三集
第四章 韻文論考
「不分瓊瑤屑 来霑旅客巾」―唐代俗語と平安朝の詩人
「都府楼纔看瓦色、観音寺只聴鐘声」―「白詩に勝る」の評を中心に
「越調詩」に関する二三の問題―唐代新声の残したもの
漢詩文の世界
〈解題〉半谷芳文・高橋良行・植木久行
A5判函入 2004年10月発行 362頁 ISBN4-87636-237-8
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松浦友久著作選Ⅳ
Ⅰ 中国古典詩学とその周辺
中国古典詩の世界/中国詩の性格をめぐって/唐詩文芸学叙説―認識としての詩/五言詩の基調リズムは何拍子か―「言語リズム」と「楽曲リズム」/「七言拝律」不盛行の原因―対偶表現の本質から/韓愈の「伯夷頌」をめぐる二三の問題―伯夷説話の形成と継承/魯迅の「采薇」について―「伯夷説話」継承史における一展開/聞一多の「律詩底研究」について―近代詩学の黎明/詩歌と四季/詩と音楽―楽府詩の場合/「万葉集」という名の双関語(再論)―日中比較詩学の懸案に即して/漢文指導の範囲と限界/有効性が期待される比較詩学の視点と方法/日本語詩歌の五音と七音―「休音」の有無・多寡・位置によるリズム感の異同について/日本詩歌のリズム構造―「二音一拍」か「四音一拍」か/日本詩歌のリズム構造(続)―川本皓嗣氏に答える/美のありかとしての俳句―「短歌」「漢詩」との関わりを中心に
Ⅱ 李白論
李白伝記考―その謎の生涯と詩/李白の辺塞詩/李白「将進酒」は楽府詩か歌行詩か―「様式と表現機能」の視点から/《秋浦歌》明鏡の新解釈に不可欠な、二つの論拠/宋本『李太白文集』の題下注について―王琦本との関係を中心に/李白における旅の意味/敬亭山と采石磯―李白紀行/「白髪三千丈」と「秋浦の歌」―唐詩紀行/山東の山水と李白杜甫の交遊/李白研究―抒情の構造(概要)/〈書評〉松浦友久著「李白研究―抒情の構造」/『李白研究』補稿―武部利男氏の書評に答える
Ⅲ 書評
理念の対象としての詩人論―郭沫若著・須田禎一訳『李白と杜甫』/村上哲見氏『宋詞研究―唐五代北宋篇』/小野忍著『道標―中国文学と私』 近代中国文学研究史の一証言―四〇年にわたる息の長い発言/『倉石武四郎著作集』 個性的かつ魅力的な開拓者の軌跡―著者における学問や教育の主張の核心を知る/中国古典詩歌聚花①横山伊勢雄著『政治と戦乱』 鑑賞書としての初の試み―古代から清末まで題材別に編集/蕭滌非等共編著『唐詩鑑賞辞典』/清水茂『中国詩文論藪』/内山知也編『中国文学のコスモロジー』/着実な考証と的確な開拓性―高木正一『六朝唐詩論考』を読んで/岡村繁著『文選の研究』/詹鍈『李白全集校注彙釈集評』 李白研究の画期的成果 集大成を実現した十余年の歳月/『入矢義高先生追悼文集』(汲古書院)/『石川忠久 漢詩の講義』
Ⅳ 研究余滴
個性とその対象―堤留吉先生古稀記念によせて/才・学・識/陣内宜男先生の思い出/山崎正之君を想う/『逯欽立輯校・先秦漢魏晋南北朝詩・作者索引』刊行にあたって/この人に聴く 松浦友久―古典とリズムと抒情/日本人学者松浦友久採訪録/杜甫学会と雑誌『草堂』/山西詩跡行/詩と風土/訪詩雑感/詩五首/松浦友久先生の人と学問(水谷誠)/〈解題〉水谷誠・増子和男
A5判函入 544頁 2005年5月発行 ISBN4-87636-250-5
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松浦友久博士追悼記念中国古典文学論集刊行会編
二十世紀後半を代表する中国古典文学研究者であられた松浦博士を追悼し、学問上互いに切磋琢磨された研究者六十五名の玉論を得て上梓する記念論集。
従詩歌文本中探求創作原理―論松浦友久教授的中国詩型研究 葛曉音
関於古典詩歌的詩語 孫昌武
虚構の詩学 松本肇
風馬牛考 鈴木健之
詩歌の言語表現における雅俗観―『詩経』「蕭蕭馬鳴」をめぐって 田中和夫
『読風臆評』論―明代戴君恩の詩経学 村山吉廣
金城攷―《尚書》〈禹貢〉孔傳「金城」に「偽の鉄證」ありや否やを論ず 中島敏夫
「項羽本紀」について 井口博文
漢鐃歌「戦城南」に関する一考察 戸倉英美
六朝の即興創作に関する一考察 福井佳夫
曹植の「七哀」と晋楽所奏の「怨詩行」について―不可解な二箇所の改変を中心に 矢田博士
小鳥の飛翔―阮籍・張華から郭象へ 興膳宏
崑崙と水―郭璞『山海経図読』「崑崙丘」にみる水の宇宙 松浦史子
元嘉時代の謝荘 佐藤正光
『詩品』陶淵明評における「世歎其質直」の解釈について 住谷孝之
李善注における二、三の問題点 清水凱夫
旧鈔無注本『文選』に見られる「臣君」について 富永一登
貧女詩考 詹満江
唐代詩人の食性―蟹・南食・筍 丸山茂
宋玉の故宅―唐詩に見えるその位相 鎌田出
王維の自閉的志向 内田誠一
唐詩における「詩人」と「画家」―王維詩を手がかりに 紺野達也
咸淳本《李翰林集》源流和名称簡論 郁賢皓
李白の生い立ちと任侠・神仙 岡村繁
蓮花の中の李白―詩語による表現分析 市川桃子
白雲愁色満蒼梧―李白における「蒼梧」と「海」 寺尾剛
李白詩と「木蘭詩」―「木蘭詩」の形成と伝承 長谷部剛
李白「逸興」考 渡部れい子
李白の飲酒時における酒量表現について―杜甫・白居易と比較しつつ 高橋良行
「杜甫厳武反目説話」の消長 松原朗
廣厦千萬間―杜甫と白居易 川合康三
『杜甫詳註』における「論世知人」―浙東鄞縣という文化的磁場 佐藤浩一
中唐初期における蘇州文壇形成についての一考察―文学理論の展開と五言古体詩について 土谷彰男
権徳輿の文学論と三教 須藤健太郎
唐釈皎然の詩論について―中国詩学「景情交融」の主題に即して 赤井益久
白居易の単衣もの 田口暢穂
白居易と魚釣り 下定雅弘
白居易における松と竹 埋田重夫
劉禹錫「竹枝詞」の特徴―杜甫「夔州歌十絶句」との比較から 梅田雅子
韓孟聯句について―短編の作品を中心に 斎藤茂
『杜牧詩選』補注 植木久行
「再生の秘儀」考―反魂香の来源をめぐって 増子和男
北宋時期の書物に見られる詩跡的観点について 松尾幸忠
宋代士大夫の詩歌観―蘇軾「白俗」評の意味するもの 内山精也
歴代諸選本における辛棄疾の詞 村上哲見
試作活動から見た朱子の陶淵明観 宇野直人
詞と訓読 後藤淳一
宋代伝奇の特徴―「長恨歌」と「楊太真外伝」との比較から見る 竹田晃
朝鮮本『夾注名賢十抄詩』中の「梁山伯祝英台伝」と「梁祝故事」説唱作品との関連 芳村弘道
明清の性霊派 福本雅一
「明史楽府」序説―呉炎・潘檉章『今楽府』について 児島弘一郎
沈徳潜と袁枚の交渉をめぐって 佐藤一郎
清代小説の翻案と翻訳をめぐって―褚人穫『隋唐演義』を和文に翻案し、中文に翻訳された宮崎繁吉『楊貴妃』 竹村則行
論徐志摩詩文古典風範之内在成因 加藤阿幸
陳夢家逸詩考―「一朶野花」前後 稲畑耕一郎
「大」字二音続考 平山久雄
杜甫はどのような韻書を使ったのか―『刊謬補欠切韻』を一つの指標として 水谷誠
『正字通』における中古全濁上声字の扱い 古屋昭弘
「身」の一人称代名詞説をめぐって 井上一之
詩語としての「悲」と「哀」―唐代までの詩の用例を中心に 許山秀樹
『経国集』試帖詩考 半谷芳文
道真「九月十日」詩篇考 堀誠
三たび『文集』は〈もんじゅう〉か〈ぶんしゅう〉か―同音衝突と同音回避の現象から 神鷹徳治
芙蕖館二代目服部仲英論 徳田武
広瀬淡窓と陶淵明 林田愼之助
A5判 1080頁 2006年3月発行 ISBN4-87636-259-9
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松浦友久先生の著書
松浦 友久 著
李白の詩と人生について、多様な資料・視点を駆使して論究した最新の研究成果。重要点を剔抉する伝記考証と、詩性の特色を解明する作風批評とを融合した新しい“伝記論”。李白と杜甫の差異の本質をも解明する。
「客寓」の詩想―李白の認識の基調として
李白における生地と家系―異民族説の再検討を中心に
李白における蜀中生活―客寓意識の源泉として
李白家室考―伯禽の系譜を中心に
李白における長安体験―二回上京説に関する諸問題/「謫仙」の呼称を中心に
李白における安史の乱―永王幕府への参加まで/投獄・出獄まで/流謫・赦免まで
李白晩年考―没年の再検討を中心に/赦免後の歴遊が意味するもの
李白における「捉月」説話―終焉説話の伝記論的意味
A5判 422頁 1994年9月発行 ISBN4-87636-120-7
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松浦 友久 著
日本人に親しまれる唐詩の新しい読みかた。蛾眉・断腸など、特色ある詩語の個別的考察を通じ、中国人の言語感覚の特徴を探り、さらに日本語文化との異同を考える。好評の旧版を修補し、新たに四篇を加える。
中国語の性格―詩と言語
「猿声」考―詩語と歌語
「蛾眉」考―詩語と歌語
「断腸」考―詩語と歌語
詩語としての「怨」と「恨」―閨怨詩を中心に
耶娘妻子走相送―唐詩の白話的表現と厭戦詩の発想
(付説)ふたたび「耶娘妻子走相送」について―戦争詩における主題と素材の異同を中心に
長安一片月―「一片」の用法とそのイメージ
烽火連三月―数詞の声調をめぐって
(付説)「沙場」考
却話巴山夜雨時―詩語とその条件
憶君遥在瀟湘月―離別詩における時間の表現
一水中分白鷺洲―詩材としての風土
児女共霑巾―名詞の副詞化が意味するもの
邏人横鳥道 江祖出魚梁(「秋浦歌」その十一)―詩的構図としての山腹と水面
此地即平天 耐可乗明月(「秋浦歌」その十二)―地名とその連想
白髪三千丈(「秋浦歌」その十五)―「明鏡」としての清渓河
空吟白石爛(「秋浦歌」その七)―「歌行」類の表現機能を中心に
A5判 306頁 1995年10月増訂版発行 ISBN4-87636-130-4
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